香川でうどんが食べたい。
うどんに憑りつかれていた。本場香川の讃岐うどんを、たらふく食べてみたいと熱望して出立したあの日。
そうそれは2022年の10月のこと。横浜から四国まで自家用車の旅へ。夜中1時に出発。まずは私が運転。周りはトラックだけで閑散としている。軽快に長篠設楽原PAまで頑張り、ここで小腹が空いたのでおにぎりを食べる。午前3時すぎ。暗闇に甲冑とか戦国絵巻とか陳列してあって、こわっと思いながら「どれどれ?」なんて見始めた。ここは1575年、織田信長&徳川家康VS武田勝頼が戦った長篠の戦いの場とのこと。深夜の異常な興奮もあいまって、すっかりにわか歴おばさん化して長々と見入ってしまった。知的好奇心を満足させてくれる良きPAかな。
その後鈴鹿まで夫、宝塚まで私。徳島で給油してお目当ての香川うどんへ。しかし!四国に入ってからが長い!遠い!平坦!四国に入ったのに全然香川に到着しない。お互い疲れて喧嘩しながら交代で運転し、やっとお目当ての「手打ち十段 うどんバカ一代」へ10:30に到着。やったー。ここは釜揚げうどんにバターと生卵と黒コショウを入れて食べる釜バターが人気。私は『るるぶ』の写真に一目ぼれし、横浜からこの釜バターを目当に遥々やってきたのだ!みんなもそうなのか、この時間なのに並んでいる。量は中にしたけど、すごいボリュームだった。カルボナーラみたいなお味との前評判だったけど、例えるなら、カルボナーラみたいでしたね。すごくおいしかったけど、最初の香川のうどんで、なにもこんな変わり種じゃなくても良かったか?と思った。

一路道後温泉へ。
さて、念願のうどんを食べて早々、今度は愛媛の道後温泉に向けて出発しなくてはならない。なんたって遠いからね。午後3時前、やっとのことで道後温泉に到着。私達が本日泊まる旅館は、そこから山の上に15分ほどいった、奥道後温泉の壱湯の守というところ。とりあえず温泉街をぶらぶらしようと裏手にある駐車場に車を停める。!!!ここは!あれ?私達間違えて新宿歌舞伎町にでも降り立ってしまった?ワープ?そこはネオンキラキラ、蝶ネクタイの客引きの男性諸君、着衣の少ない女性の写真がパネル式で並べられている風俗街。え?ここ道後温泉じゃなかったでしたっけ?夫とともに唖然動揺しながら徘徊し、表の温泉街にたどり着く。あー、びっくりしたあ。私達まぼろしでも見たんかな?気を取り直して、温泉街をぶらつく。坊ちゃん団子あり、みかんジュースあり、今治タオルあり、徹夜のテンションで買いまくる。千と千尋の神隠しのモデルになったという道後温泉本館は工事中だった。道後温泉別館飛鳥乃湯泉はなんかとてもアートだった。

疲れた私達
2時間くらいぶらりしたが、流石に疲れてきたので、宿にむかうことにする。駐車場に近づくにつれ、例の風景が蘇ってきて、まぼろしじゃなかったんだなあと思う。そのネオン街をランドセルを背負った小学生たちが下校していたりして、シュールな風景に何とも言えない気持ちになった。
山を少し登ったところにある私達の今宵の宿。入口に中華風のでかい銅鑼があって、客が入るタイミングで「ドギャーン」と鳴らしている。いらっしゃいませの代わり?もれなく私達も銅鑼を鳴らしてもらったけど嬉しいというより、なぜに銅鑼?という疑問だけが残った。中は古いけれど清潔で趣ある感じ。夕食はビュッフェだったけど結構おいしかったね。まあ、とにかく徹夜で運転して私達疲労困憊。部屋がどうとか夕食がとか温泉がとかあまり記憶になく、銅鑼の印象が強烈すぎて、早々に寝てしまったわけ。