骨シンチとは

ドクター栄作の命を受け、粛々と検査をこなす日々。まず最初の敵は骨(こつ)シンチ。名前からして怖い。これは放射性同位元素を静脈から注入して骨に到達させ、全身の骨を撮影するという検査。怖い。まあ要は乳がんが骨に転移していないか調べる検査ですね。病院からもらった紙を見ると注射9時で撮影11時と書いてある。この謎の空白2時間に放射性物質を吸収させるわけね。ふむふむ。それにしても今年に入ってから私の被爆量ってすごくない?がんになりそう。

骨シンチの部屋

受付を済ませると、地下の奥深くに案内される。RI室とか書いてある物騒な入口にバイオハザードマーク(こういうやつね)

の表示。え?ここはアンブレラ社ですか?薄暗い部屋をのぞくと奥からゾンビじゃなくて技師さんが出てくる。「いずみんさんですね。では注射しますね」と親切そう。この方が注射してくれるのかと思いきや、すぐにチャラっとした体操のお兄さんみたいな若い人(研修医)が来て技師さんにものすごくフォローされながら震える手で注射をしてくれる。この注射器がアルミホイルみたいな銀紙で厳重に包まれていて、まるでTウィルスのよう。怖いよう。私ゾンビになる?

閉所恐怖症の私

注射のあとは無罪放免。撮影まで何をしていても良いとのことで、外のカフェでレモンスカッシュを飲んでぼーっとしていたら時間になったので病院に戻る。が、撮影の機械を見た瞬間、震える。私閉所恐怖症で満員電車とかエレベーターとか閉じ込められ系でプチパニックを起こす。骨シンチの機械はCTに翼が生えたような、CTとMRIの間みたいな、微妙な立ち位置。技師さんに「私閉所恐怖症なんです(涙)大丈夫でしょうか?」と訴えるいずみんおばさん。「大丈夫ですよ。僕すぐ近くで操作しているし、何かあったらすぐ声かけてください」とおびえるおばさんに優しい。ここまで言われてやらないのは女がすたる。意を決して横になる。死んでも目は開けないと決意する。見えなきゃ狭いなんて分からない。そう、ここはネイチャー。私は芝生の上にゴロンしていて、瞼の奥でチカチカするのは太陽の木漏れ日で…時々技師さんの「うーん」とか「あっ」とか聞こえてくる声は執事の声で…と必死にイメージする。え、でも「あっ」ってなに?気になるんだけど。それにこんな近くで操作してるけど大丈夫なの?なんて思いながら数十分。「終わりましたよ」という技師さんの声で意識を取り戻す。あれ?寝てた?あんなに怖い怖いと取り乱していたのに寝ていたとは!恥ずかしいではないか。とほほ。まあでも無事に終わったからいいか。うん。この戦法でいけばMRIも余裕だなと思ったのが、次回悲劇を生む。

今日の教訓

「目をつぶれば眠れる」

投稿者

いずみん

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