MRIの流れ
乳がんの進行状況を詳しく精査するのに必須の検査、MRI。実は閉所恐怖症の私が一番恐れていたの検査だったんだけど、前回の骨シンチが余裕のよっちゃんイカだったから大丈夫だろうと高をくくっていた。しかも今日はMRI検査の後、夫氏を交えてドクター栄作から病状や術式について説明があるとのこと。まず前回同様、地下のバイオハザード区域に侵入する。そして造影剤の点滴をするとかで、ルートをとるのにまた例の体操のお兄ちゃん(研修医)がやってくる。今回の技師さんがあんまりフォローしてくれなかったせいか、私の自慢の一番太い血管でまさかの失敗。反対側も失敗。ここで不愛想な上級医がやってきてまた失敗。もうこれ永遠に入んないんじゃないの?こうなったらドクター栄作を呼べ!と思った頃、4回目にやっと入るのだけど、これがべらぼうにいてえ。技師さんが「ご気分大丈夫ですか?」って再三聞いてくれるんだけど、大丈夫なわけないよね。淑女のたしなみとして一応「大丈夫です」と答えておく。そこから撮影室に移動する。乳房の撮影は、うつぶせになって穴にパイパイ入れてぶらんぶらん状態で撮影する。なんと屈辱的な恰好よ(涙)で、「何かあったらこれを握りつぶしてください」って風船みたいなのを握らされ、爆音防止のヘッドホンを装着されドームに入れられる。うつ伏せだから狭いなんて分からないと思ったのだけど、空気の圧迫感というか今狭いところに入りましたよ!っていうのが肌感覚ではっきり分かり、慄然とする。「やばいかも」と思うそばから冷や汗と不安感がざわ・・ざわ・・ざわざわ・・とカイジなみに押し寄せてくる。ネイチャー作戦も太刀打ちできそうにない。「どうしよう。この風船を・・どうしよう」と逡巡している間に検査は進み、ヘッドホンなんて屁のツッパリにもならんぜよくらいの爆音と振動で私のパイパイがブルブルし始める。いつ風船を押そうかもう少し我慢するかと耐えている間にやっと検査が終わる。終わって起き上がるけど極度の緊張状態でフラフラ。だけど乳腺外科で待っている夫氏のもとに行かねば。両手テープだらけでフラフラでやってくる私を見て驚く夫氏。待ち時間の間、椅子で横になったりトイレでリバースしたりしてる間にちょっと良くなってくる。
ドクター栄作の説明
私は亡霊状態なので、診察室のベッドに横になって説明を聞かせてもらう。ドクター栄作は夫氏にも挨拶してくれ、画像を指しながら「ここに石灰化がありますよね。キラキラ光っているやつ。あ、ここにもありますよね、ほら、分かります?」と蛍を見つけた子供のようなテンションで説明してくれるのだが、画像を見慣れていない夫氏はちんぷんかんぷんの表情。でも例のごとくドクター栄作は止まらない。「この石灰化とこの石灰化を繋げて切除すると4センチ以上にはなるし、がんを取りきるとなると、もっと大きく切除するから形も崩れるし、そもそも悪性度が高いから徹底的にやった方がいい。全摘がいいと思う」はい。もうなんでもいいです状態の私。とにかくフラフラで同席してくれていた看護師さんが心配してくれる。そしたらドクター栄作「お腹すいちゃったのかなあ」とド素人みたいな見解を示す。確かに造影剤使うから3時間以上は飲み食いしてませんよ。だけどね。「うん、MRIの造影剤でアレルギーとかほとんどないんだよね。CTの造影剤とは違うものだし。ほら、今までの血液データみるとね、いずみんさんは意外と血糖が低いんですよ、低血糖かな。脱水もあるだろうし、我慢して検査を受けた緊張のせいじゃないかなあ」と突然医者みたいなことを言いだす。私としては「意外と」という言葉にひっかかって「意外と?」と聞き返したものの、そんなものは全く無視される。「いずみんさんは早期で完治するがんなんだから、そんなに思い悩まないで、ね!」と屈託なく言われて終了。
今日の教訓
閉所恐怖症にとってMRIは最恐